はじめに

日本自動車運転士労働組合は厚労省ならびに国交省へ事業者登録をし許可を得た労働供給事業者です。

運動方針

日本経済は、世界経済の着実な成長による輸出増と企業収益が過去最高となる中、民間設備投資も緩やかに増加している。しかし、実質GDPは年平均1.4%増(2012年以降5年半)に留まっている。その要因としてGDPの約半数を占める民間消費の伸びが低く、その背景には実質可処分所得の伸び悩みがある。労働者世帯における実質可処分所得は低水準が続いており、労働分配率も全産業で低下傾向にある。勤労者世帯において、伸び悩んでいる消費を喚起させるためには、実質可処分所得が増加することが不可欠である。そのためには、少なくとも賃金の伸び悩みが物価上昇率だけでなく、税や社会保険料の増加も加味した分を上回る水準で増加する事が必要である。完全失業率は近年低下を続けていて、有効求人倍率は2.72倍(2017年)と突出した数字となっている。しかしこのような逼迫する雇用状況をうけ、賃金上昇の傾向がみられるものの、労働者不足に対する賃金の伸びは小さいままである。可処分所得の増加を伴う実質的な賃上げを勝ち取っていくことにより、暮らしの底上げを図っていくことが求められる。

労働者の未来

我々を取り巻く環境は大きく変化している。今後も、いわゆる「派遣業」との違いを明確にして労働者供給事業を拡充していき、「連合」「交運労協」等の上部団体と連携、そして「労供労連」としても労働条件の維持向上を図っていき、労働供給事業の発展を目指していく。労働組合は労働者の利益を守り、地位の向上を図るための民主的な組織であるからこそ労働者の供給が許されている。労働者供給事業の中には労働組合と称しながら、供給組合員に労働条件の明白に示していなかったり、供給先の役員が供給組合の役員を兼務しているなど供給先企業と癒着した名ばかり労働組合による労働供給事業者が存在する。厚生労働省による労働供給事業業務取扱要領では、労働供給事業の許可要件として、①労働組合法に規定する労働組合であること。②労働者供給事業を法の精神に従って運営することができる組織であること。③労働組合等の運営が民主的に行われていること。④無料の労働者供給事業であることとしている。自運労単組合はもとより「労供労連」としても、早期の「労供事業法」の成立に向けて活動していくことが求められる。

運動の取り組み

  1. 財政については厳しい財政状況の中、引き続き経費の削減と活動の効率化に努力し将来に向けて持続可能な財政の構築に向けた取り組みを行います。
  2. 人口減少・労働者の不足のなか、より良い人材確保のために、雇用環境の整備、賃金労働条件の改善を推進していく。
  3. そのために「人材(人財)」の確保を引き続き実施していく。これまで以上に優秀な「運転士」に対し積極的に組合加入を促し、組織の強化と拡大を目指していく。